【成人式着付け】振袖の着付けって自分でできるの?手順と必要なものを紹介!

悩む読者

娘の成人式の着付けを自分でしたいな…
注意点とか用意するものって何があるかな?
プロの意見を聞きたいな。

大切なお嬢さんが成人式を迎えるお年頃になった時、成長してくれたことに胸が熱くなる思いと同時にできるだけのお祝いをしてあげたいと思うのが親心ですよね。

着付けを習ったことのあるお母さんの中には自分で振袖を着付けてあげたいと思う方も多いかと思います。

ゆみ先生

安心してください。
娘さんの成人式の着付けは自分でもできます。

こちらの記事では、現役の着付士が、下記のような内容を解説します。

こちらの記事の内容

  • 成人式の着付けの準備
  • 成人式の着付けで必要なもの
  • 成人式の着付けの注意点
目次

成人式の着付けって自分でできる?用意する物や手順を紹介

自分で着付けを習い、自分で着る方が楽と思っている方なら当然そう思われる事でしょう。着付て貰うと苦しいと思い込んでいる方も多いはずです。

習い続け、着付けの練習をし続けていらっしゃるお母さんなら、自分で着付けてあげるのも良いかと思いますが、何年も着付けていないお母さんならどうでしょう?再練習の練習量にもよるかと思います。

もし、何が何でも自分で着付をと思われるなら、早めに練習を始めて手を動かされることをお薦めします。結果として、着心地が悪かったり、着崩れりしたら、困ってしまうのはお嬢さんです。またそうなってしまったら親子の信頼関係も心配です。

ゆみ先生

この記事を読まれた方が、着付けることの難しい点を正しく知り、解決するための対策をすることで、自分で着付けることと判断したり、あるいは、プロに任せる方がお嬢さんも親御さんも安心と判断することができるようお手伝いしたいと思います。

成人式の着付けは自分でできるの?

振袖は着物までの手順を見れば普段着の着物とほとんど変わりません。

手順以外はどうでしょうか?振袖はミスの礼装になります。若々しく着付けるためには普段着の着物より高い位置に帯を巻きたいという事から一番美しく着るのは自分で着付ける場合は難しいと考えられます。

自分で着るため、自分で帯を結ぶために作られた和装小物を使って教えてくれる着付け教室や、付け帯を使う事で可能になるとおすすめしてくれる呉服屋さんもあります。

自分で挑戦して着るのは二十歳の思い出にもなり、承知しての挑戦なら良いと思いますが、お友だちと並んで写真を撮ると帯の高さは少し低い位置になることは事実です。

二十歳らしい着姿を残すのか、二十歳の挑戦の思い出を重視するのか、記念として残る写真にがっかりすることのないよう、きちんと考えたいところです。

振袖の着付けは難しい?

振袖の着付けは他の普段着の着付けと比べて大きく難しいものなのでしょうか?なぜ難しく感じるのでしょうか?

大きな違いは袖が長いことや、また素材からも柄付けからも着物全体が普段着の着物と比べ、ずっしりと重いことが着付けを難しくしています。

帯を除けば手順的にはほとんど変わりません。もしお嬢さん一人のためだけなら、帯結びも一つマスターすれば良いので、習った経験のある方なら手順や帯で難しく感じるとは思えません。

重く感じる袖をどう扱うか、確実な変化結びを1つ徹底的に練習し、マスターする、その二つでハードルを下げられると思います。

その他の心配は補正です。お嬢さん一人に合った補整を作れるかどうかの問題です。補正作りをクリアできれば、お嬢さんに着付けることは十分可能になるかと思います。

万人向きの補正はありませんが、買い求めた補正着で良しとしてお使いになる方もいらっしゃいます。

振袖の着付けの方法を確認する

振袖の着付け方について手順を追って説明します。
成人式の着付け、特に当日は時間にも追われますので、万全に用意してから始める必要があります。

着付けの流れとして、どこで誰に習おうと変わらない手順は下記の通りです。

振袖の着付の手順

  1. 必要なものを用意する。
  2. 伊達衿をつける
  3. 足袋を履き和装下着を身に付ける
  4. 長襦袢を着せる
  5. 着物を着せる
  6. 帯を結ぶ

振袖の着付けの方法、着付けの流れについてさらに詳しく解説します。

必要なものを確認し着付準備する

最初に振袖着付けに必要な物は以下の通りです。

成人式の着付で用意する物

  • 肌襦袢(はだじゅばん)と(すそよけ)
  • 半衿(はんえり)をあらかじめ縫い付けた長襦袢
  • 伊達衿(だてえり)
  • 腰紐4~5本
  • 伊達締め2本
  • コーリンベルト(着付師の判断で使わない事もある)
  • 帯板1~2枚(前板1枚、後ろ板1枚)
  • 帯枕1つとガーゼ
  • 帯揚げと帯締め

このようなものが必要になります。
※ 飾り紐がある場合は帯に飾ることができる
※ ピンチ(着付用クリップ)がセット内に含まれる場合もある
  ほとんどの場合、着付師等技術者が使い慣れた物を用意している

ゆみ先生

1つずつ順番に解説していきます。

【成人式の着付け準備】肌襦袢(はだじゅばん)と(すそよけ)

着物スリップなどでも可

【成人式の着付け準備】半衿(はんえり)をあらかじめ縫い付けた長襦袢

着物と同じ袖丈の物
事前に半衿を縫い付けて、長襦袢を準備する

【成人式の着付け準備】伊達衿(だてえり)

比翼仕立て(ひよくじたて)になっていたり、使わない場合もある

【成人式の着付け準備】足袋

足袋は通常の市販品でも問題ありません。

【成人式の着付け準備】腰紐4~5本

補正を止める等に使うので、少し多めに用意するほうが安心

【成人式の着付け準備】伊達締め2本

伊達締めについては好みの伊達締めを用意して下さい。

【成人式の着付け準備】コーリンベルト

着付師の判断で使わない事もある

【成人式の着付け準備】帯板1~2枚(前板1枚、後ろ板1枚)

後ろ板の使用は帯結びの形による

【成人式の着付け準備】帯枕1つとガーゼ

カーゼは帯枕に使用する
また、補正等、場合に応じて使うことがある

【成人式の着付け準備】帯揚げと帯締め

帯締めもご自身の好みのものを用意するようにしましょう。

成人式の着付けの準備はしっかりと!

着付けを開始する前に必ず、必要な物が全部あるかを確認します。
お嬢さんが洋服を脱いでから和装肌着を探すわけにもいきません。

可能な限り、手順良く進められるよう整えてから着付を始めることをおすすめします。

お出かけの時間が近づいている時は、草履・バッグ等も先にご準備いただいてから着付を始める方が良いです。
着物を着てからの準備はお出かけ前のお嬢さんには身動きしずらく、負担をかけてしまいます。

成人式の着物の着付けの手順

成人式の着物の着付けの手順は下記の通りです。

成人式の着物の着付の手順

  1. 和装下着を身に着ける
  2. 長襦袢を着せる
  3. 振袖を着る
  4. 帯を結ぶ

このような手順になります。

では、順番に紹介します。

和装下着を身に着ける

和装の下着は、足袋をはき、裾除け、肌襦袢の順に身に付けます。

下着を付けたら、必要な体型補正をします。
補正することは、美しい仕上がりになるだけでなく、着崩れを防ぐことに繋がります。

長襦袢を着せる

長襦袢を羽織らせ衣紋を抜きます。衣紋(えもん)の抜き加減は首と衿のあきに握りこぶし一つが入る位を目安にすると良いです。
※ 髪型や体型によっても衣紋の抜き加減を変える事があります。

衿合わせをして胸紐、伊達締めをします。

振袖を着る

  1. 振袖を羽織らせます。
  2. 背中心をクリップでとめ、裾合わせして腰紐を締めます。
  3. おはしょりを下ろし、衿合わせをして胸紐を締めます。
  4. おはしょりを整え伊達締めをします。

帯を結ぶ

帯を胴に二巻きし、結びます。
帯結びは通常、変化結び、あるいは創作帯結びと言われている二重太鼓ではない帯結びをします。
帯結び中につけた帯枕に帯揚げをかけ、帯揚げ・帯締めの形を整えます。

苦しくならない成人式の振袖の着付けのポイント

成人式に苦しかったと聞くことがあります。そんな残念な思い出にならないように出来ないものなのでしょうか?

苦しくならない着付けのポイントがあります。
主なものについて解説します。

腰紐は質の良いものを

腰紐は着物や長襦袢の丈を調節し、着崩れしないように縛って使います。最低でも長襦袢に1本、着物に2本使います。
着物を歩きやすい丈にしたり、着崩れを防ぐ腰紐の役割はとても重要ですので、質の良い、扱いやすい物を使うことがおすすめです。

市販されている腰紐の素材にはモスリン(薄いウール素材)、絹、最近はゴムのものもあります。
自分で縫った綿素材のものや編んだもの等を持っている方も見かけますが、扱いやすさの点で市販品にかないません。

モスリン性のものは締まり方も良く、色落ちの心配や着物を傷める心配もありません。

腰紐はしっかり締める

肌に近い紐は締めすぎないようにします。

裾除けや補正をとめる紐を締めすぎるのが苦しくなる一番の原因になります。

紐は着るものが上になるに従いしっかり締めるのが外せないポイントになります。
つまり、着物の着丈を決めておくための腰紐はしっかり締めます

結び目が重ならないように注意

紐の、結び目の位置、絡げて交差している位置に注意をします。
みぞおちや、肋骨の上でゴロゴロするのは避けなければなりません。
これは枕を付ける時の紐やガーゼの結び目も同様です。

また、長襦袢も胸紐の交差位置と着物の胸紐の交差位置が重なると、厚みもゴロゴロ感もあり、着心地がかなり悪くなります。
結び目が重ならないように注意することが必要です。

以上が一般的に言われている事ですが、
経験上、加えておこうと思う事を書き加えます。

  • ワイヤー入りのブラジャーは外していただく
  • コーリンベルトやゴムの腰紐がねじれていると苦しく感じる事がある

※ 着付け以外で苦しさを軽減できる工夫
着物は帯を太く胴に巻きます。洋装のように姿勢を崩すことは出来ません。洋装でもコルセットをしたら姿勢を崩すことは難しくなると思います。
正しい姿勢で日頃から過ごしていることで、成人式の窮屈さを軽減できる可能性が高いです。

洋装和装に限らず、お洒落に装うためにも若いお嬢さまたちが正しい姿勢で過ごしてくださると一挙両得な気がします。

苦しくならない成人式の振袖の着付けのポイントについて解説しました。

まとめ

振袖の着付けは普段着の着物に比べ、着物も帯も重いものです。また成人の日は、着物に慣れないお嬢様たちが時間をかけて身支度した上に、長時間着物を着て移動したり、式典に出席したりする大事な一日です。成人の日の着付けは、少しでも楽しく過ごせるよう、お祝いの気持ちを込めたいものです。

着付けを頼まれたら、ご本人様にも万全の準備をご協力いただき、着付けの手順通りに進めるだけにしておきましょう。
苦しくなく、着崩れなく着付けて、ゆとりをもってお出かけできるのが望ましいです。

この記事では成人式の着付け、女性の振袖の着付けについて解説しました。

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この記事を書いた人

自分で楽しむ着付から喜ばれる着付へ|6回の指導でお孫さんの振袖着付を可能にした指導経験有|着付歴30年・指導歴20年|イベント・ショー・撮影・TV収録等を経験|独立後、自ら運営する少人数制着付け教室で指導中|習ったけど出来ない方大歓迎|お子さん、お孫さん、お友達を着付けたい方はブログをご覧になり、周りの方を笑顔に!

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